NEXT+
NEXT+開発記 第3話

個人開発のサービスを9か所で宣伝したら、7か所が完全にゼロだった

この記事は、相互送客プラットフォーム「NEXT+」の運営者が、実際の運用データと実体験に基づいて書いています。

ノートPCに向かう個人開発者。周囲に浮かぶ9つの宣伝先のうち7つは色が抜けてしぼみ、2つだけがオレンジに光っている

「作ったのはいいけど、どこで宣伝すればいいのか分からない」

個人開発をしていると必ずぶつかる壁です。私もそうでした。そして検索して出てくる答えは、だいたいこう書いてあります。

SNSで発信しましょう。コミュニティで告知しましょう。

やりました。結果はゼロでした。

この記事は、自分で作った相互送客サービス「NEXT+」を9か所で宣伝して、7か所が登録者ゼロ、効いたのは2か所だけだった全記録です。かかった費用も、効かなかった理由も、隠さず書きます。同じところで詰まっている人の時間を、少しでも節約できればと思います。

結論を先に

21件の登録のうち、経路が分かっている10件はすべて2か所から来ました。

宣伝した場所 かけた費用 登録
クラウドソーシング(テスト依頼) 約4,000円 8件
相互リンクサービス(1人ずつ手作業でDM) 0円 2件
X(旧Twitter)・ブースト5回 7,500円 0件
TikTok(動画広告を制作) 制作の手間 0件
Discord(開発者3,000人のコミュニティ) 0円 0件
Facebook(投稿) 0円 0件
Facebookグループ 0円 0件(投稿許可が降りず)
note(記事を公開) 0円 0件(PV 4)
LINEオープンチャット 0円 0件

効いた2つには共通点がありました。どちらも**「発信」ではなく「1対1でお願いする」**だったことです。

全滅した7か所

夜の広場でメガホンを持って一人で声を上げるが、通行人は誰も振り向かずスマホを見て通り過ぎていく

X(旧Twitter):7,500円かけてリンククリック0

一番期待していました。個人開発界隈はXが盛んなので、当然そこだと思っていたのです。

サービス紹介の投稿をして、1回1,500円のブーストを5回かけました。合計7,500円です。

結果は、リンクのクリックが0。5回とも同じでした。

原因ははっきりしています。私のフォロワーは9人でした。ブーストで表示は増えても、知らない人の宣伝投稿を、わざわざタップして読む人はいません。フォロワーが少ない状態でのブーストは、関心のない人の画面に一瞬映るだけでした。

「SNSで発信しよう」というアドバイスには、フォロワーがいるという前提が隠れています。ゼロから始める人には、ここが最初の壁になります。

TikTok:動画を作ったが反応なし

動画広告を制作して投稿しました。反応はゼロでした。

前回の記事にも書きましたが、そもそも私はTikTok運用を経験者に任せようとして、適任者が見つからず止まっていました。自作の動画では、そのハンドルを握れていなかったのだと思います。

Discord:開発者3,000人のコミュニティに投稿して反応なし

これは意外でした。個人開発者が3,000人いるコミュニティです。ターゲットとしては完璧なはずでした。

でも反応はゼロ。大きなコミュニティほど、投稿は数分で流れていきます。 そして「誰か知らない人がサービスを宣伝している」投稿は、読む理由がありません。人数の多さは、届く確率とは関係がありませんでした。

Facebook:投稿は反応なし、グループは投稿すらできず

個人の投稿は反応ゼロ。関連するグループにも投稿しようとしましたが、投稿の承認が最後まで降りませんでした。

多くのグループは宣伝目的の投稿を厳しく制限しています。「コミュニティで告知」というアドバイスは、そもそも告知させてもらえないという現実を織り込んでいません。

note:PV 4

記事を書いて公開しました。PVは4でした。

noteも結局、すでに読者がいる人のための場所でした。新規アカウントが記事を1本置いても、誰の目にも触れません。

LINEオープンチャット:反応が悪い

こちらも反応はありませんでした。理由はDiscordと同じで、流れていく場所に置いても読まれません。

Google広告:表示すらされていない

これは「効かなかった」とは少し違います。まだスタートラインに立てていません。

いま一番期待しているチャネルです。検索している人は、すでにその課題を持っているからです。SNSのように「関心のない人に見せる」のではなく、「探している人に見つけてもらう」ことができます。

ところが実際には、表示回数が今日時点でゼロ。クリック単価を300円に設定しても、1回も表示されません。原因は入札額・審査・キーワードのいずれかで、まだ切り分けができていません。

つまり費用はほぼ1円も使えていない状態です。効果がないのではなく、参加すらできていない。ここは引き続き取り組みます。

効いた2か所

発信して待つ 1対1でお願いする

自分 X・TikTok Discord・FB note・OC 登録 0件

自分 依頼 依頼 登録 10件

同じ労力でも、届き方がまったく違った
テーブル越しに1対1で向き合い、手渡しでやり取りする様子。矢印が双方向に行き交っている

クラウドソーシング:1件300〜500円のテスト依頼で8件

一番効きました。

やり方はシンプルです。クラウドソーシングで「サイトに設置して使ってみて、感想を教えてください」という300〜500円のテスト依頼を出します。実際に触ってもらい、良ければそのまま設置をお願いするという流れです。

これで8サイトが登録まで進みました。総額は4,000円ほどです。Xのブースト1回半の値段で、8件です。

なぜ効いたのか。考えてみると、相手が「読む理由」を持っているからだと思います。SNSの投稿は読む義務がありませんが、依頼は仕事です。必ず最後まで見てもらえます。そのうえで良いと思ってもらえたなら、それは本物の反応です。

副次的な効果もありました。使いにくい箇所のフィードバックが集まることです。宣伝と改善を同時にやっているようなものでした。

相互リンクサービス:50人に手作業でDMして2件

相互リンクの相手を探している人が集まるサービスがあります。そこに登録している50人ほど全員に、1人ずつ依頼を送りました。

結果は2件の登録。転換率は4%です。

数としては小さいですが、費用は0円で、しかも相手は「サイト同士でリンクし合いたい」と明言している人たちでした。ニーズが完全に一致しているところに、直接声をかけた形です。

地味な作業です。50通を手で送るのは正直しんどい。でも、Xのブースト5回よりも確実な成果が出ました。

9か所やって分かったこと

1. フォロワーゼロの発信は、お金をかけても届かない

7,500円かけたXのクリックがゼロだったのが、すべてを物語っています。発信型の宣伝は「すでに聞いてくれる人がいる」ことが前提で、その前提が無い状態では、広告費を足しても成立しません。

2. 「人数が多い場所」は「届く場所」ではない

Discordの3,000人、Facebookグループ、オープンチャット。人が多い場所ほど期待しましたが、全部ゼロでした。流れていく場所に置いた投稿は、読まれません。

3. 効いたのは、相手が読む理由を持っている方法だった

クラウドソーシングは「仕事だから読む」。相互リンクサービスは「探しているものだから読む」。どちらも発信ではなく、1対1のお願いです。

4. お金の使いどころが逆だった

7,500円を拡散に使ってゼロ。4,000円を「1人に触ってもらう」に使って8件。同じお金でも、誰に届けるかで結果がまるで違いました。

これからやること

Google広告を、もう一度きちんと立ち上げます。表示ゼロの原因を切り分けて、まずは表示されるところまで持っていきます。

理由は、検索している人だけが「いま困っている人」だからです。SNSは関心のない人に見せる仕組みですが、検索は困っている人が自分から探しに来ます。フォロワーゼロの個人開発者にとって、ここが唯一まともに戦える場所だと考えています。

そしてもし、いまの自分にひとつだけ助言できるなら——最初からクラウドソーシングでテスト依頼を出せ、と言います。SNSに費やした時間とお金を、全部そちらに回すべきでした。

おわりに

NEXT+は、この記事に書いたような「宣伝手段がない」状況そのものを解決するために作ったサービスです。バナーを1つ貼るだけで、他の参加サイトから紹介される——発信力がなくても集客できる仕組みを目指しています(詳しくは第2話に書きました)。

まだ参加者21件の小さなネットワークですが、だからこそいま参加した方ほど紹介される機会は多くなります。同じように宣伝で詰まっている個人開発者の方に、選択肢のひとつとして知ってもらえたら嬉しいです。

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